漢方の、あっと驚く別の効用
検診や人間ドックを受けた結果、「異常なし」だった、又病院・クリニックで治療を受けているけれども、疲れやすい、身体がだるくて気力のわかない方は、漢方や自然薬がお役に立ちます。育児中の方、50歳前後の女性、胃腸のデリケートな方に、これらの症状を持っていることが多いようです。
けやき堂薬局の選薬のためのカウンセリングでは、お客様の生活背景や体質、現在の症状などから、お勧めの養生法(食事や運動によるセルフケア)と漢方、自然薬等をご提案しています。
自分に合う漢方を飲んで元気になることで、仕事や家事に集中して取り組むことが出来ます。また余暇には趣味ややってみたいことを先延ばしせずチャレンジする気持ちも湧くようになります。たとえストレスのある環境にいても、それを乗り越えていくことが出来るように心身のバランスを整えますので、生活の質を高めることに役立ちます。
病院・クリニックで出されているお薬で、病気の治療はできても、心身のメンテナンスをすることとは別ですし、食事療法だけでは、時間がかかります。現代はテレビやインターネットで、たくさんの情報を簡単に入手することが出来ます。一方で、それらの情報の質は、玉石混交で、自身の体に合うかどうか見分ける眼力がいります。
生活の質を今以上に良くして、機嫌良く過ごしたくなったら、ご予約の上で選薬のためのカウンセリングに気軽にお越しください。
排泄する力を高めて、健康になる方法・考え方
最近、けやき堂薬局に多く寄せられているご相談は、女性の体の悩み(子宝、生理前の心身の不調、更年期の症状)、アレルギーの症状(鼻炎、アトピー性皮膚炎)、自律神経の症状(不眠)などです。
古くから伝わる漢方の教科書「黄帝内経(こうていだいけい)」に、「春は、体の中にある老廃物を排泄するとよい」と書かれています。検診の血液検査の結果「異常なし」だとしても不調になることがあります。
東洋医学では、病気でなくても、心身の調子がすぐれないことを「未病」と言っています。体に老廃物を溜めたままにしていると、まず血液が汚れていきます。そして肩こり、頭痛、動悸などの他、鼻血、歯ぐきからの出血、痔などの症状が現れやすくなります。
もともと体には、老廃物や異物を出す機能が備わっています。汗、尿、便、めやになどの中に排泄されてゆきますが、血流が悪かったり、筋肉の働きが弱っていたり、内臓が冷えている場合は、毎日排便や排尿があっても、排泄する力が低下していると考えたほうが良いでしょう。私たちが健康生活を送り、元気に過ごしてゆくためには、食べることと同じ位、老廃物や異物を体の外に出すことがとっても大事です。
日中の活動で疲れが出ても、夜眠ったら起床後はスッキリしている、食後に眠くならず動ける状態を目指したいです。
老廃物や異物を排泄する力を高める方法は、①体の冷えの改善、②睡眠の質を良くすること、③適度な運動、④血流を良くすること、⑤バランスの良い食事と腹八分の食事量の5つの条件がそろう必要があると、私(岡北)は考えています。これら①-⑤が揃った上で便・尿、汗などを出すことが大事です。一つ一つが互いに組み合わさることで排泄する力が発揮されます。これまでのカウンセリングから、①-⑤のどれかが欠けていると排便や排尿の回数自体異常なしでも、体の不調がある場合、体の中に要らないものがたくさん残っていることが考えられます。
紫華栄(しかろん)は、世界でたったひとつのオリジナルのお薬(自然薬:第3類医薬品)です。発売されてから、30年以上経過しており、安全性が高く、副作用はほとんどありません。有効性と安全性の二つで、お客様に長年支持されています。小さなお子様からシニアの方までお飲みになれます。
参考書籍:石原結實の絶対健康法 石原結實
無農薬野菜を食べた方が良いですか?というご質問に対する返答
お客様から、「無農薬野菜を食べた方が良いですか。毎日続けるとなると高額となり、長続きできません。」と質問されることがあります。
食材は無農薬または低農薬で、近くの土地でとれたもの、特に旬のものが一番良いです。長所は、栄養価が高くて、食材そのものの味がしっかりとしていることです。近郊でとれたものを販売している八百屋さんの野菜には安心感がありますね。しかし、都市部ではそれらの流通量が多くなくて手に入れにくいのが短所です。
これは私(岡北)の考えです、入手が難しければお近くのスーパーで販売されている野菜、食材で十分です。実は我が家も近所のスーパーで大半を購入しています。旬の野菜を中心として食べて、食材からバランス良く栄養素を摂取するようにしましょう。
それから特に気を付けたいことはカット野菜、コンビニ弁当、出来合いの総菜には、本来食材に含まれているはずのミネラル(亜鉛、銅、鉄など)が途中の加工の段階でかなり抜けてしまっていることです(参考書籍 食べなきゃ、危険!―食卓はミネラル不足 小若順一 国光美佳ら(著))。
人間は、体内でミネラルを作り出すことが出来ないため、それらを食材から摂っていく必要があります。体の中にミネラルが過不足なくあることで、ホルモンや神経伝達物質をつくる酵素の働きを助けたり、生理機能を整えたり、毒素の排出・分解などが出来たりします。日々の食事をなるべく食材から摂ることをお勧めします。
一人暮らしの方で、簡単で栄養バランスのよい調理法や、食材でミネラルを手軽にとる方法を知りたい方、気軽にご相談ください。生活背景の合わせたレシピ、おすすめの食品、商品をご提案します(要予約)。
漢方薬、生薬、自然薬(松寿仙、紫華栄など)等の安全性
けやき堂薬局に足を運んでくださっているお客様から健康相談を受け、生活背景とお体の経過等を伺っておりますと、健康に対する意識の高い方が多いことを感じています。普段の過ごし方や食べ物の内容、ご家族の元気に過ごすために心がけていることなど、お客様から話をされる方もいます。
話の中で、当店でお求めになっている漢方薬や、自然薬(松寿仙、紫華栄、風治散など)に残留農薬があるのかどうか、また液体の医薬品に含まれる保存料に対しての質問を受けることがあります。
結論を申し上げると、当店で取り扱っている生薬、漢方薬、自然薬、天然原料を用いている医薬品は、残留農薬、重金属、微生物、カビ毒を、わが国で定めている基準値以下であるかどうか製造前、製造中、製造後にわたって二重、三重にチェックされたものです。
食品衛生法のポジティブリスト基準、日本薬局方の基準の他、製造会社独自に定めている自主基準に照らし合わせています。商品1ロット(ロットとは、同種の商品を生産する際の最小単位)ごとに検査をし、基準を満たして合格したものを仕入れし、お客様へ販売しています。
液体の医薬品(パッケージ品)には、保存料を入れるように法律で決められています。コンクレバンや、松寿仙、婦人宝など。そのため、液体の医薬品の場合は、保存料が必要最低限にとどめて入っています。お体のデリケートな方、妊娠前から妊娠中、授乳中の方、赤ちゃんからシニアの方まで幅広い層で服用されています。
長期で継続して服用して体に害があらわれないように保存料の成分を選んでいるそうです。当然のことながら、慢性毒性試験に合格をしています。そして何より、コンクレバンと松寿仙は、販売開始から50年以上の歴史があります。この歴史は、安全性と有効性が認められている信頼の証です。
安全性を重視して品質を吟味した上で、商品を取り扱っています。内容のことでわからないことがございましたらその都度お尋ねください。
見える痰と、見えない痰
空気が乾いて、咳や痰の出やすい季節です。痰には、見える痰と、見えない痰があることをご存知ですか?一般的に知られているのは、気道の粘膜からつくられる気道分泌物(粘液)です。
これに対して見えない痰とは、(漢方医学で)身体の中に留まる病因物質のことを言います。体の中からこれだけを取り出すことはできませんが、見える痰と似ていて、ネバネバ、さらさらしたものとされています。漢方医学ではこの見えない痰で病気や不調を起こすと考えています(湿痰)。
目に見えるものではないのに、どうして体内に湿痰があるか判別できるのかというと、鏡で舌を見た時、舌に厚みがあり、ぽってりと大きく見えることで判ります。余分な水を体に蓄えているので、舌にむくみができています。
さらに舌の表面には、白色の苔が分厚くついています。体の中の余分な水は「湿(しつ)」となり、「湿」が固まって動きが悪くなったものが「痰」です。湿と痰をまとめて湿痰と言います。湿痰は肺や気管支だけでなく体の中のどこにでもできます。存在する場所により、「気(元気の気)」や「血(けつ)」の流れを邪魔します。症状は、体の重だるさ、めまい、むくみ、頭痛、胃の不快感、などが現れます。眠くなることもあります。
特に雨の日や湿度の高い日に症状が強く現れやすいです。湿痰はなかなかの厄介者で、体の中から排除するにとても時間がかかります。お客様のカウンセリングで舌をチェックすると湿痰のあるお客様は多いです
痰はここで取り上げた湿痰以外に、「寒痰」「熱痰」「燥痰」などあります。
湿痰の産生を防ぐための養生(食事と生活によるセルフケア)は一年を通して水分を過剰に摂らないようにすることです。また、体の中を水が巡った後、体外へスムーズに水や代謝産物が排泄されるように、内臓を冷やさないようにすること、血流を良くすることが大切です。冷飲食を控えて、水分は口が乾いてきたら少量ずつ飲みます。体を温かくして過ごすことがお勧めです。
現代は、冷蔵庫などの家電や自動車が普及していることもあり、体の中で水の巡りと血液の流れが悪くなりやすい環境になっています。血流を良くするには、ストレスを溜めないようにすることも大切です。一度出来てしまった湿痰はなかなか排除できず、それがなくなるのに時間がかかります。ウオーキングやラジオ体操、ストレッチ運動などを毎日少しずつ、継続していくことが大事です。
(参考書籍:読体術 体質判別・養生編 仙頭正四郎(著)、漢方処方の構成と適用 森 雄材(著))
風邪のひき始めに用いる漢方
これまで何度もお伝えしているように、風邪のひき始めには、早期の漢方の服用が有効です。当店で多数の実績があります。服用のタイミングが早ければ早いほど、改善しやすく、身体が楽になります。その上漢方の服用回数や量も少なくて済みます。
風邪などのウイルスが体に入っていく時に、寒気や頭痛、関節痛が起こることがあります。この寒気や関節痛の予兆を感じた時、症状が現れたタイミングですぐに風治散(ふうじさん、第2類医薬品、和漢薬研究所)と紫華栄(しかろん、第3類医薬品、和漢薬研究所) 各1包をお白湯(熱湯でも可)に溶いて服用ください。風治散で寒気などがとれます。紫華栄には、滋養強壮作用があります。
風治散は、葛根湯と同じ処方構成のエキス顆粒です。低温で最新の技術でじっくり有効成分を引き出しています。有効成分以外に顆粒にするためのデンプンしか入っていません。葛根湯の処方のため麻黄が入っています。私の経験上の話ですが、風治散は西洋薬の風邪薬を比較して、胃腸障害になりにくいです。
時々、お客様から「寒気はないのですが、風邪を何日もひいているので、風治散と紫華栄を飲んでもいいですか?」と問い合わせを受けることがあります。この場合は、風治散を服用するタイミングを過ぎているので、これを服用せずに紫華栄を飲んでいただいています。紫華栄は風邪のどんな時期に服用しても良く、回復力を助けます。
熱っぽく(発熱)、のどが赤く腫れて痛みがある場合は、金羚感冒錠(商品名:きんれいかんぼうじょう、第2類医薬品、小太郎漢方)がお勧めです。処方名は銀翹散(ぎんぎょうさん)です。この金羚感冒錠には、レイヨウカク(希少な動物性生薬)が入っており、清熱作用(炎症をとること)に優れています。かぜによるのどの痛み、口(のど)の渇き、咳、頭痛に効能効果があります。潤す生薬は入っておらず、大半が冷やす作用のある生薬で構成されています。予防薬ではなく、症状の現れた時に用いるお薬です。のどの痛いときになめてもいいです。
風邪の予防と、ひき始めの対応について(自然薬・漢方薬)
風邪などの感染症について、体の外からやってくる病気や不調の原因のことを「外邪(がいじゃ)」といいます。外邪は、異物(微生物など)、気温や湿度の変化(寒さ、暑さ、空気の乾燥、湿気 等)を言います。
当然のことながら、本来は体の免疫力・防御力が備わっていれば、風邪をひかないのですが、備えがなければ風邪をひいてしまいます。すぐ近くにウイルスや細菌があり、それらが身体に取り込まれると感染してしまうことがあります。風邪などの感染症を発症するか無症状なままでいれるのかは、個人の体の事情によります。
元気な時は、皮膚の表面近くで、バリアの役目をするスリットのような「腠理(そうり)」が体の外への汗の通り道として開けたり閉じたりしています。普段は、体に備わっている防御役の「衛気(えき)」の働きで汗をかいて熱を逃し、外邪の侵入を防いでいます。そして外邪が体に侵入しようとすると、衛気が体表面に集まって外邪を体外へ追い出します。そうすることで病気にならずにすみます。しかし、排除できなければ、病気になってしまいます。
体表で衛気と、外邪が闘う時に、悪寒(寒気)が現れます。衛気と外邪が闘う時に、衛気が次々と表層に集まってくると発熱します。
その一方で、外邪を外へ追い出せないでいると、外邪の侵入場所である頭部、背部、関節に腫れや充満感などをつくります。
仙頭クリニック院長 仙頭正四郎 医師は、著書「漢方で免疫力をつける」で、感染症に罹患する順序や、その予防法について紹介しています。
免疫力を育てる作戦として
● 早寝で夜間に十分な睡眠時間をとること
● 少しでも具合悪く感じたら、何を差しおいてでもたくさん寝る
● 自分が動いて汗をかく
● 大声で笑う
● 冷やさない(薄着と冷飲食を避ける)
● 空腹に合わせた食事
● 陰気は捨て、ウキウキ・ワクワク陽気に過ごす
● 「明るく、軽く、楽しく、歩く(動く)」という生活をする
ことなど合わせて12項目を提唱しています。
外邪を追い出す(発散する)食べ物は、辛味のあるものや酸味の芳香性のあるものです。ネギ、生姜、コショウ、ワサビ、唐辛子、シナモンなどの薬味や、みかん等です。食べると体を暖かくしたり、じわっと汗をかいたりすることで発散を助けます。生姜湯や葛湯が風邪の時に好まれるのは、このような発散する作用を生かしています。
風邪のひき始めにおすすめは、自然薬「風治散(ふうじさん 第2類医薬品)」と同じく自然薬の「紫華栄(しかろん 第3類医薬品)」です。寒気が出たときにすぐに(30分以内に)飲みます。お湯に溶いてから温かいうちに飲むと、体を温める作用が増すので、体表面部の外邪や異物を体の外に発散する作用が増します。
一方で発熱時には漢方薬「柴葛解肌湯(さいかつげきとう 第2類医薬品)」を飲みます。私がお客様にお出しした経験では、発熱してからの早い段階でこのお薬を飲んでいるほうがよく効いています。柴葛解肌湯は、発熱とは別に風邪のひき始めからこじれた風邪(風邪の後期)にかけて飲むことも可能です。
ここではお勧めのお薬の一部を紹介していますが、実際は風邪の症状や段階に応じて使い分けをします。
風邪かなと気が付いた段階ですぐに適した漢方を飲むことで、早期回復へと向かいます。進行が早いため、症状が現れた際すぐに取り出して飲めるよう、初期に飲む漢方薬を最低でも3日分ご家庭に常備しておくことをお勧めします。(岡北)
参考書籍
漢方で免疫力をつける 仙頭正四郎(著)
薬膳・漢方 喩静/植木もも子(監修)
問診のすすめ 金子朝彦/邱紅梅(著)
運動をする、効果的なタイミングと運動強度
運動をするタイミングは、一日の中でいつが健康維持に効果的でしょうか?
私(岡北)が一番お勧めするのは食後1時間の頃です。
このタイミングで運動をすると、食後の血糖値を抑えることができます。その結果、体の糖化(細胞の炎症、老化を促す原因の一つ)を予防するので、動脈硬化、認知症、アルツハイマー病、骨質が悪くなることなどを防ぐのに良いそうです(参考書籍:「糖化」を防げばあなたは一生老化しない(東海大学医学部抗加齢ドッグ教授 久保明(著))。
健康な人の血糖値は食後30分から1時間くらいでピークになります(参考:徳島市ホームページ 「糖尿病大作戦」あなたは大丈夫!?食後高血糖)。
睡眠不足のある人や、日頃胃腸のデリケートな人は、昼食後にだるさや、眠気を感じやすくなります。
食後1時間で運動のできない場合は、昼食後少したった頃でもよいので、10-15分以上歩きに出かけるなど体を動かしましょう。眠気が現れにくくなります。じっとしているよりも、頭の中がすっきりする感覚を得られるようになりますので、後のお仕事や家事の効率も上がることでしょう。
そして、冬を迎える前に、毎日歩く習慣をつけておくと、冬の冷え症対策になります。
冷え症を自覚している方は、少しずつ体の冷えを改善していくことが良いです。漢方医学では、冷え症の治療を夏から始めるのが良いと伝えています。私がカウンセリングをこれまでさせていただいた経験からみても、真冬の厳しい寒さの頃から目いっぱいに改善に努めることよりも、温暖な時期から3-4ヶ月かけてじっくり改善していったほうが、治りがスムーズで冬中を元気に過ごしていくことができます。今からでも遅くありません。お昼休み、帰宅後すぐ、帰宅時や買い物に出かける時、遠まわりをするなどして歩く時間を増やしてみましょう。
冷え症に効果のある漢方薬もあります。お体に合う漢方薬をご提案します。まずは、初回カウンセリング(選薬のためのカウンセリング)をお受け下さい。希望される方は、けやき堂薬局まで電話又は、メール、LINEで事前にご予約をお願いいたします。
運動強度について
健康維持には、いわゆる「にこにこペース」がお勧めです。にこにこと笑顔を保って、じわっと汗ばむ程度で、一定時間継続することのできる運動の強さです。私が運動の話をすると、中には、「毎日ペット(小型犬)の散歩をしています」とおっしゃる方がいます。歩かないよりも良いですが、残念ながらペットの散歩では運動の効果が現れにくいです。
ヒトの1分間の最高心拍数は、体力に関係なく「220-年齢」の式で計算することが出来ます。ここで得られる数字が、100%の運動強度(推測の値)です。
にこにこペースは、この半分の50%の運動強度に相当します。
50%の運動強度で心臓から送り出される血液の量は最大になります。また自律神経が興奮し始め、エネルギー源として糖や脂肪が最も消費されるポイントです。
にこにこペースになる1分間の心拍数(脈拍数)は、「138-(年齢÷2)」という簡単な計算式で求めることができます。不整脈のない場合は、心拍数=脈拍数となります。
仮に年齢が60歳ですと、138-(60÷2)=108(目標値)となります。
にこにこペースは、この心拍数(脈拍数)を目標にします。にこにこと笑顔を保ち、じわっと汗をかく程度です。医療機関で高血圧などの運動療法に取り入れられています。身体への負担が少ないですので、運動の際の参考にされてください。
(運動強度について 参考:鹿児島県国民健康保険団体連合会 ホームページ「にこにこペースを理解しよう」2019.10.2)
「肺」を守るための秋の過ごし方
東洋医学では秋は「肺」の季節とされています。空気が乾燥して、のどや鼻の粘膜が乾きやすくなります。乾燥から粘膜のバリア機能が低下することで、空気中のウイルスや細菌などの異物が侵入して感染症にかかりやすくなるので注意しましょう。
※漢方医学で、「肺」は呼吸の機能を担います。その他、全身の気の調節や水の代謝を行います。
「肺」を守るための秋の養生(参考:小太郎漢方ニュース2021・秋号(※)より)
・早寝早起きを心がける
・適度な水分補給、加湿で乾燥を防ぐ
・呼吸に意識を向け、定期的に深呼吸をする。
・潤いを補う働きのある食材や、気の巡りを良くする食材を取り入れる
秋のお勧め食材(参考:NHKきょうの健康2016.9、(※)より)
・体を潤す食材・・・白菜、れんこん、白ごま、松の実、ぎんなん、白きくらげ、山芋、ゆり根、梨、ぶどうなど
・気を補い、気力を高める食材・・・さんま、いわし、さつまいも、じゃがいも、里芋、くり、まいたけ、落花生など
・「脾」「胃」の働きを整える食材(消化器の機能を整える)・・・もち米、れんこん、しいたけ、葛粉(葛切りなど)、キャベツなど
・気を巡らせる食材(ストレスの緩和に)・・・グレープフルーツ、ゆず、しそ、わさび、パクチーなど
晩夏から秋かけて、元気に過ごすための養生法
晩夏から秋かけて、元気に過ごすための養生(手当て、セルフケア)について書きます。この頃に現れやすい症状は、食欲不振、下痢、疲労、集中力の低下、手足のだるさ、立ちくらみ、ドキドキしやすいなどといったことです。寝苦しい季節ではありますが、寝室を涼しくして質の良い睡眠をとることが大切です。そして冷たい飲食物を摂り過ぎ・エアコンにあたり過ぎを避け、こまめに室温調節をして、入浴時に湯船に浸かることができているかを点検します。
ご来店の方に詳しく話を伺うと、「夏のお風呂は家族そろってシャワーを浴びるだけです」というご家庭もありますが、夏にぬるめの湯に数分浸かるだけでも、体の局所の冷えが和らいで、1日の疲れがとれやすくなります。そして睡眠の質の改善が期待できます。夏の疲れの予防や解消をしたいがまだ実行できていない方はぜひ一度取り入れてみてください。
また日本の夏は、高温多湿なので、湿邪(しつじゃ;体にとって余分な水が溜まる)による脾虚(ひきょ;消化器の機能の弱り)が多いです。夏を迎えてから食欲不振や下痢、つかえを強く感じる場合は、水の摂り過ぎを控えましょう。冷たい水を、一気飲みするのではなく、冷たくない水をこまめにちびちび飲みして水分補給します。
その一方で、暑熱(夏の暑さ)が原因の場合は、過剰な熱が体にこもり、微熱、体のほてり、頭痛、吐き気、疲労が現れます。肉体疲労や激しいスポーツなどで起こる日射病、熱射病です。漢方では、清暑益気湯、生脈散、牛黄清心元などを用います。
秋になると、空気が乾燥して、呼吸器の働きに影響を受けやすくなります。今から体を潤す働きのある食材を摂ることで、「陰(いん)」を補い、体の内側からの対策をしましょう。お勧めの食材は、しじみ、パイナップル、梨、はちみつ、れんこんです。
参考書籍:NHKきょうの健康 2016.8
薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帖 監修 喩静、植木もも子(監修)