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正月に飲む、お屠蘇について

最近では、お屠蘇(とそ)を飲む方が減っているようで、店頭でお屠蘇を飲んだことがあるかどうかを尋ねたところ、20代に限らず、40-50代の方でも飲んだことのないことに加えて、ご存知のない方も結構いらっしゃいました。

お屠蘇は、邪気を払うために飲む薬酒であり、縁起物です。お屠蘇の原料となる屠蘇散の成分には、薬用植物(生薬)のケイヒ、ハマボウフウ、チンピ、チョウジ、キキョウ、ビャクジュツ、サンショウ(栃本天海堂製)が入っています(注:文献や製造元により、構成生薬の違いはあります)。
これらには、胃腸の働きを整え、体を温めるはたらきがあります。

一般的には、年末年始にかけて、外出して普段の生活で飲食しないものを口にし、またその量も増えるので、新年から胃腸が元気にはたらいてくれるように、屠蘇散を酒(または、みりん)に浸けて、飲むことは縁起物としてだけでなく、とても利にかなっていることなのです。

2016年12月28日

11月に健康講演会を行い、たくさんのお客様が参加されました

 11月10日(木)に、大阪京橋にある、太閤園で、大阪むらさきクラブの集い(大阪府内の漢方薬局・薬店と共同の健康講演会)を行いました。たくさんのお客様が参加されました。

今年は、アナウンサーを経て僧侶として活躍されている川村妙慶さん(京都市在住)に「心が笑顔になる生き方」というテーマでお話いただきました。

2016年12月9日

風邪は万病の元

 最近多いご相談は、風邪(のどの痛み、鼻水、鼻づまり、セキ)、冷え、便秘のご相談です。 

 気温の変動が大きく、暖かい日が続いた後や、雨の降った後に気温が急降下すると、風邪をひく人が多くなります。質のよい睡眠が十分にとれていると、たいていは早めに寝るだけで治るものなのですが、心身の疲れがたまっていたり、加齢などによって体の免疫力が低下していると、風邪はなかなか治りません。

 昔から「風邪は万病の元(この諺は、色々なとらえかたがありますが、ここでは『免疫力が落ちていると風邪をはじめとして、色々な病気になる』という意味としてあげます)」と言われていることから、予防が出来ることに越したことはありません。万が一、風邪をひいてしまったら最小限に症状を抑えて悪化を防ぐこと、早めに治すことが必要だと私は考えています。

風邪を治すのに、漢方は最適な治療薬です。

 実は、私(岡北)が漢方の世界に入ったきっかけの一つは、風邪の初期に使う葛根湯(風治散)の作用を知ったことです。体を瞬時に温めてウイルスや菌を体外に追い出すという、西洋医学と異なる発想のユニークさと効き目の素晴らしさに惹かれました。まさに「柔よく剛を制す」。

私(岡北)も仕事柄、風邪をひかないように日頃から十分気をつけて養生していますが、生身の体なので、ひいてしまうことがあります。そのような時は、休日にもすぐ対処が出来るように、風邪薬セット(風治散:ふうじさん、紫華栄:しかろん、板藍根原末:ばんらんこん、ホノビエン錠)を少なくとも3日分は常備し、症状を最小限に抑え、一日も早く治すよう努めています。