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夏を元気に過ごす食べ方のポイント

 朝方からもう体がじわっと汗ばむくらい蒸し暑くなっています。

 夜にはエアコンや扇風機をかけたまま就寝することもあるでしょう。とりわけ大阪の夏は過ごしにくいようで、特に関東から引っ越してきたばかりのお客様の何名かから、「大阪の蒸し暑さのレベルは違う、身に堪(こた)える」と言われることが過去にありました。ずっと豊中の市街地に住んでいる身からすると、おなじみの夏なのですが、例えば、8月に高原へ何日間か出かけていき、豊中に戻ってきた時に感じるくらいの体感の差があるのかもしれません。

 伝統的な東洋医学の五行学説から、夏は、「心(しん)」が活発に働く季節で、「心」の消耗しやすい季節だとされています。「心」は、心臓による血液循環の他、自律神経の機能、活動もコントロールをしています。

 夏を元気に過ごすための食べ方のポイントは、大きく分けると3つあります。
それは、
①体にこもる熱を逃がすこと
②内臓を冷やさないこと
③水分代謝を良くすること です。
養生(食べ方・過ごし方などのセルフケア)により自身の体を季節に合わせて柔軟に対応できるようにしておくと、次に来る季節もまた順応しやすくなります。

 また、暑さからくる体力の消耗に負けず、スタミナをつけるため、土用丑(どよううし)の日には、昔からうなぎを食べる習わしがありますね。今年の土用丑の日は、7月23日(土)と8月4日(木)です。例年、料理屋さんの前には、うなぎを求めて並ぶ人たちの光景を目にします。しかし、ご存知のとおり、近年はうなぎの入手がとても難しくなっています。うなぎに変わる、夏の疲れ解消・スタミナアップには、「あなご」も良いですよ。

■ 夏にお勧めの食材(NHKきょうの健康2016年7月号より一部改変)
○ 体にこもっている「熱」をとる食材
にがうり、すいか、緑豆もやし、ミント、緑茶、れんこん、トマト、きゅうりなど

○ 「湿(体の中の余分な水、不調をおこす要因となる水」を取り除き、胃腸の機能を整える食材
小豆、枝豆、さやいんげんなどの豆類、はと麦、とうがん、にんにく、はもなど

○ 「気(元気の気)」「水(津液)」を補い、気力を高める食材
うなぎ、あなご、たこ、そば、パイナップルなど

○ 「鹹味(しおからい)」味で塩分を補充する食材
あじ、あゆ、すずき、しじみ、昆布、わかめ、のりなど

 調理のポイントは同じ食材を連日食べることよりも、食性の異なる食材を組み合わせたり、日ごとに似た食材を別の食材に変えたりすることです。偏りが出ず、栄養バランスも良くなります。

 また焼く、蒸す、煮る、炒める、揚げるなどの加熱した料理を積極的に取り入れましょう。暑い日が続くと、のどごしの良い冷たい麺類、サラダなどが多くなる方が多いのではないでしょうか?冷たいものばかり食べていると、内臓が冷えて消化機能が低下します。温かい料理を意識して食べ、内臓の冷えを予防しましょう。

参考書籍
NHKきょうの健康 2016年7月号
協力会だより 小太郎漢方製薬株式会社 2021年夏号

2022年7月12日