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漢方医学的観点から見た、ワクチン接種後の過ごし方

 今回は、漢方医学的な観点から見た、ワクチン接種後の過ごし方をテーマにして書いていきます。

 すでにご存知の方が多いでしょうが、新型コロナワクチン接種の2回目接種率が70%以上を達成しているそうです。我が国では、新型コロナワクチンに、「重症化防止」、「感染予防」、「発症予防」が期待され、集団接種がスタートしました。また集団免疫の形成も期待されていましたが、はっきりとした成果は出ていないようです。
 集団免疫とは、人口の一定割合以上の人が免疫を持つと、感染患者が出ても、他の人に感染しにくくなることで、感染症が流行しなくなる状態のことです。厚生労働省によると、「新型コロナワクチンで集団免疫を得られるかどうかは不明」とホームページに書かれていました。
 
 私たち一人ひとりが心がけたいことは、まず体を整え、免疫がスムーズに働くようにすることです。
ワクチンを接種済の場合は新型コロナウイルスが体内に入ってきた時に、ワクチンで得たウイルスの情報をもとに、体で異物(ウイルス)を識別する免疫力を持っておくこと、さらに異物と早く強く闘える能力を養うことです。

 ワクチン未接種の場合は、自身が生まれついて持っている免疫と、生後、病原微生物と闘ってきた免疫の記憶で、体に入ってきた異物を見分けて闘えるように体を整えておくことでしょう。

 漢方医学では、昔から「心身一如」という言葉があり、精神と肉体は一つで、分けることはできないという考え方をします。体を整えるための基本は、質の良い睡眠をとること、バランスの良い食事を摂ること、快便であること、体を冷やさないこと、血流を良くすること、適度に運動をすることなどです。

 精神面では恐怖心や強い不安を持つことよりも、気持ちを明るく、しなやかに、前向きにした方が健康を保て、免疫力を発揮しやすくなることが分かってきています。恐怖心や不安感の強い方は、まずご自身の体が整っているかどうかを点検してください。体調が優れず、気持ちも沈みやすいのであれば、まず、体を立て直すところから始められるとよいでしょう。

 また自分の許容範囲を超える過労も、体調を崩す要因となります。以前、当店にカウンセリングにお越しになられた、自営業の60代女性で、仕事が忙しく難聴になった方がいらっしゃいました。難聴で耳鼻科に受診中ですが、「眠れるようにしたい、疲れをとりたい」と希望されていました。普段は明るい性格をしてさっぱりとしているそうですが、そのうち夜中に物音が少ししただけで目が覚めるようになり、フォローのカウンセリングに来店された時には「難聴であることを気にしないようにしている。いったいいつになったらしっかり眠れるのだろう。」と涙を流しておられました。約2か月間漢方と生活養生を実践されていくうちに熟睡できるようになり、疲れも取れてきたそうです。次第に自力で眠れるようになりました。最終のフォローのカウンセリングで来店された時、「今後は、自分の許容範囲内で働きます」と力強くおっしゃっていました。

 「睡眠の教科書 別冊 ニュートン増補第2版」によると昔から「寝る子は育つ」といわれますが、これは科学的に正しいことが分かっているそうです。
 睡眠後、最初に現れるノンレム睡眠とほぼ同時に大量に、脳下垂体という部位から「成長ホルモン」が分泌されます。ノンレム睡眠とは、睡眠中に眼球の運動のない、深い眠りのことです。
 成長ホルモンは、その名の通り、子供の成長に大切な役目をします。特に子供の骨の伸長や筋肉の増大、けがの治癒などが成長ホルモンによって促進されます。健やかな成長には深い睡眠が欠かせません。
 成人にとっても「成長ホルモン」は重要で、成人の疲労回復や新陳代謝を促進する役目があります。
  
 まさに睡眠そのものが「薬」です。子供も大人もしっかりと寝たいものです。

参考書籍
 厚生労働省ホームページ
 病気にならない生き方 安保徹(著)
 漢方で健康美人になる20の方法 木村洋子(著)
 睡眠の教科書 別冊 ニュートン増補第2版

2021年11月8日