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鼻炎の症状を和らげるセルフケア(蒸しタオル・鼻うがい)

 花粉以外に黄砂等も飛散していることが影響しているのか、鼻炎のご相談が多いと感じています。

 
 2019年 環境省発行「黄砂とその健康影響について(小冊子)」によると、黄砂が飛散する日数について、年ごとに変化が大きく、飛ぶ日が多い年と少ない年があるそうです。黄砂は、例年3-5月に飛散のピークを迎えます。黄砂によりアレルギー症状(目のかゆみ、結膜炎、くしゃみ、鼻水)、呼吸器疾患(気管支喘息の症状悪化による受診数増加)の他、循環器疾患(脳梗塞、心筋梗塞、不整脈による入院や発症の増加)等の健康被害が報告されています。

 鼻は、肺への主な空気の通り道です。鼻の内側の空間(鼻腔)は、粘膜とたくさんの細い血管に覆われています。吸った空気を素早く温めて加湿をしたり、空気をきれいにしたりして肺に空気を送ることができるのは、粘膜と血管のはたらきのおかげです。

 鼻炎の症状を和らげるセルフケアに、鼻へ蒸しタオルをあてる方法と、鼻うがいがあります。
お風呂の中だと、温かい蒸気に囲まれているので、取り組みやすいと思います。
鼻の上部を蒸しタオルで温めると血流が促されて鼻の通りがよくなります。40-50℃のお湯で絞った蒸しタオルを鼻の上部に当てます。そして温かい蒸気をゆっくりと吸い込みます。

 鼻うがいをすると、花粉や黄砂などの異物や鼻水を洗い流すことができます。方法は、生理食塩水(※)を専用の容器に入れて、「あ~」と声を出しながら、鼻の中に洗浄液を流すと、口と鼻から液体が流れて出てきます。声を出しながら洗浄液を流すことで、肺や耳に誤って液体が流れこむのを防ぎます。

 ※生理食塩水は、ドラッグストアで販売してあります。家庭で生理食塩水を作るなら、ぬるま湯250ml+食塩2gが作りやすいでしょう。

 これらの方法は花粉症だけではなく、加齢による鼻の粘膜の萎縮で温度が下がり、鼻水が出やすくなっている老人性の鼻炎にも良いそうです。

 先日、息子が夜間、鼻を詰まらせて眠りにくそうにしていたので、蒸しタオルを鼻の上部にしばらくの間あてた後、色のついた鼻水がたくさん出て、一時的に鼻の通りがよくなっていました。タオルがあれば、特別な道具を使わないで済むので、急な場合でもすぐ実践できますね。

 鼻炎のお薬について。鼻水、軽い鼻づまり、くしゃみに効果の高いお薬があります。生薬配合の鼻炎薬です。くしゃみと鼻水には、8割くらいの方に、3日以内で症状が緩和しているようです。

 慢性的に鼻炎の症状が出ている場合は、体質改善目的で、漢方を長期(1年くらい)で服用します。継続して飲んでいるうちに、症状が軽くなった、または症状が出なくなったという声をお客様から頂戴しています。

 漢方を日常生活の中に取り入れることで、生活の質を上げることができます。長期で飲んで風邪などの感染症を予防したり、婦人科系や自律神経を整えて心身の健康に役立てたりすることができます。風邪や鼻炎の初期症状、体のだるさや軽い疲れの改善には、1-数日間の漢方薬の服用で効果が出ています。(岡北)

参考書籍、資料 
2019年 環境省発行「黄砂とその健康影響について(小冊子)
きょうの健康 2023年6月号

2024年5月1日