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運動をする、効果的なタイミングと運動強度

 運動をするタイミングは、一日の中でいつが健康維持に効果的でしょうか?
 私(岡北)が一番お勧めするのは食後1時間の頃です。

 このタイミングで運動をすると、食後の血糖値を抑えることができます。その結果、体の糖化(細胞の炎症、老化を促す原因の一つ)を予防するので、動脈硬化、認知症、アルツハイマー病、骨質が悪くなることなどを防ぐのに良いそうです(参考書籍:「糖化」を防げばあなたは一生老化しない(東海大学医学部抗加齢ドッグ教授 久保明(著))。

 健康な人の血糖値は食後30分から1時間くらいでピークになります(参考:徳島市ホームページ 「糖尿病大作戦」あなたは大丈夫!?食後高血糖)。

 睡眠不足のある人や、日頃胃腸のデリケートな人は、昼食後にだるさや、眠気を感じやすくなります。

 食後1時間で運動のできない場合は、昼食後少したった頃でもよいので、10-15分以上歩きに出かけるなど体を動かしましょう。眠気が現れにくくなります。じっとしているよりも、頭の中がすっきりする感覚を得られるようになりますので、後のお仕事や家事の効率も上がることでしょう。

 そして、冬を迎える前に、毎日歩く習慣をつけておくと、冬の冷え症対策になります。

 冷え症を自覚している方は、少しずつ体の冷えを改善していくことが良いです。漢方医学では、冷え症の治療を夏から始めるのが良いと伝えています。私がカウンセリングをこれまでさせていただいた経験からみても、真冬の厳しい寒さの頃から目いっぱいに改善に努めることよりも、温暖な時期から3-4ヶ月かけてじっくり改善していったほうが、治りがスムーズで冬中を元気に過ごしていくことができます。今からでも遅くありません。お昼休み、帰宅後すぐ、帰宅時や買い物に出かける時、遠まわりをするなどして歩く時間を増やしてみましょう。

 冷え症に効果のある漢方薬もあります。お体に合う漢方薬をご提案します。まずは、初回カウンセリング(選薬のためのカウンセリング)をお受け下さい。希望される方は、けやき堂薬局まで電話又は、メール、LINEで事前にご予約をお願いいたします。

 運動強度について

 健康維持には、いわゆる「にこにこペース」がお勧めです。にこにこと笑顔を保って、じわっと汗ばむ程度で、一定時間継続することのできる運動の強さです。私が運動の話をすると、中には、「毎日ペット(小型犬)の散歩をしています」とおっしゃる方がいます。歩かないよりも良いですが、残念ながらペットの散歩では運動の効果が現れにくいです。

 ヒトの1分間の最高心拍数は、体力に関係なく「220-年齢」の式で計算することが出来ます。ここで得られる数字が、100%の運動強度(推測の値)です。

 にこにこペースは、この半分の50%の運動強度に相当します。
 50%の運動強度で心臓から送り出される血液の量は最大になります。また自律神経が興奮し始め、エネルギー源として糖や脂肪が最も消費されるポイントです。

 にこにこペースになる1分間の心拍数(脈拍数)は、「138-(年齢÷2)」という簡単な計算式で求めることができます。不整脈のない場合は、心拍数=脈拍数となります。
仮に年齢が60歳ですと、138-(60÷2)=108(目標値)となります。

 にこにこペースは、この心拍数(脈拍数)を目標にします。にこにこと笑顔を保ち、じわっと汗をかく程度です。医療機関で高血圧などの運動療法に取り入れられています。身体への負担が少ないですので、運動の際の参考にされてください。
(運動強度について 参考:鹿児島県国民健康保険団体連合会 ホームページ「にこにこペースを理解しよう」2019.10.2)

 

2022年10月14日