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自律神経症状に用いる漢方薬、効果の現われ方

 漢方薬を自律神経症状に用いた際の良い面(長所)と短所、効果の現われ方、用いる漢方薬についてお話しします。自律神経症状のある方から漢方選薬のご相談を受ける際に、質問を受ける内容です。

 自律神経症状に漢方を服用して良い面は、夜間の睡眠の質を高め、日中に頭脳が働くように助けてくれるところです。効果の現れ始めは、早い方で2週間程度です。服用開始から2か月くらいたつと、約8割の方に効果が出ています(けやき堂薬局においてお客様対応の経験)。

また漢方薬を飲んで、頭がぼーっとしたり、日中眠気が出たりする作用のないこと、肉体や精神への依存性・習慣性がないところも良いところです。お仕事や学業、家事へ集中して取り組め、また育児中の方にはおだやかな気持ちで接することができるようになるため、生活の質を良くします。

 一方で漢方薬の短所は、長年にわたり心療内科等の新薬を継続して飲んでいる場合、従来から飲んでいる心療内科等の新薬と併用して漢方を服用することになる(たくさん新薬を飲んでいる方には飲むものが増えてしまう)ことと、それらの新薬の減薬・なくしていくことに時間がかかることです。減薬の際は必ず処方下さっている医師と相談しながら行っていただいています。

 
 自律神経症状に漢方薬を芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)や逍遥散(しょうようさん)、清香散(しんこうさん:香蘇散)など現在の症状、体質、その方のもつ性格に応じて使い分けをして用います。ご予算の許す方には、体のバランスを整える目的で、松寿仙の併用を提案させていただいています。

 私(岡北)は薬剤師として新薬全般にわたり使用することを否定していませんが、緊急の場合(高熱時や発作時)と、慢性症状の場合はその薬の持つ長所(目的と効果)と良くないところ(副作用の起こりうるリスク)を比べて長所のほうが高い場合に使うものと考えています。

 心療内科等に初めて受診を考えておられる方へ、私はまず漢方薬をしばらくお試しになることをお勧めしたいです。

 漢方を希望される方は、まず電話などで必ず事前にご予約の上で、相談ください。

2020年12月7日