けやきのすくすくブログ
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接種前に体調を万全に整える

 新型コロナワクチン接種について、最近は働き盛り年代の方からも相談を受けます。半年前と比べると、ワクチンの効果やその副反応について分かってきています。「接種前は体調を万全に整えることを優先させ、まず睡眠を充分にとって睡眠不足にならないようにして下さい」と答えています。
 
 ワクチンの有効性については、免疫学の専門家の間でさまざまな意見が述べられています。中立的な視点で、大阪大学免疫学フロンティア研究センター(医学博士) 宮坂昌之 招へい教授 が書籍『「新型コロナワクチン本当の「真実」』を著し、講談社現代新書から8月に出版されています。新聞広告に案内が出ていたので、すでにお読みの方もいらっしゃるかもしれません。私は『新型コロナウイルスの情報リテラシー』の章に特に関心を持って読みました。煽り報道に惑わされないようにするための、専門家から見た意見・考え方、読み手へのアドバイス、情報を受け取った時の指針が参考になりました。

 私の尊敬する薬剤師の一人に、自らも漢方専門薬局を運営し、全国の薬局・薬店に長年漢方の啓蒙に務めていた、故 寺田頴子先生がいます。その寺田先生は「治癒は患者一人一人の体がもっているもの、一人一人の人をつくっているものにゆだねるべきである。しかし患者自身に自分自身の病気のことを研究させることは大切である。患者自身が納得して治さなくてはいけないという意識をもって薬をのまなくては治らない。これが自然治癒力を回復する道である」という言葉を残しています。

 やや厳しめの言葉ですが、自身の自然治癒力を回復するために自分のリズムに合う食事や生活を送大切です。また、過度にストレスをためていると、睡眠の質の低下や食欲不振、その他のお腹の不調になりやすく、自然治癒力・免疫力が働きにくくなります。

 ご自身の体に合わせた生活や食事を知りたい方で漢方を試したい方は、当薬局の選薬のためのカウンセリングをお受けになることをお勧めします(要予約)。

2021年9月14日

マスク肌荒れに用いている漢方薬

 新型コロナウイルスの流行を迎えてから2回目の夏を迎えました。

 マスクをつけた状態で社会生活を送るため、肌のデリケートな方は、顔の覆っている部分が呼吸や体温で熱がこもって荒れたり、擦れや汗でかゆみを起こしたりしやすくなっています。

一般的には不織布マスクは、布製のものと比べると、ウイルス感染を起こしにくいといわれていますね。とはいえ、不織布マスクは、布製よりも通気性が悪いのでマスク内の温度が上がったり、蒸れたりしやすいだろうと思います。

私(岡北)は、仕事の時は不織布のマスク、プライベート時には布マスクを付けて、ONとOFF時で使い分けをしています。
マスク肌荒れをしている方は、布マスクを付けていてもかぶれやすくなっているようです。

 マスク肌荒れの場合も、一般的な皮膚炎と大きな区別をせず漢方の選薬しています。肌荒れを起こしている背景をに着目しています(体質の把握も含めて)。

ヒリヒリやゴワゴワ、熱をもっている、かゆみが強いといった炎症を起こしている場合は、患部の熱を冷ます漢方薬(桔梗石膏など)を使用します。肌のほてりや乾燥によるかゆみのある場合には、腎陰(じんいん)を補う漢方薬(六味丸ベースのもの)で潤すようにします。また、もともと乾燥肌で血虚(けっきょ)体質の方(手足が冷えやすい、髪がパサつく、ツヤがなく抜け毛が多い、爪が薄くて割れやすいなど)には、体質改善目的で血(けつ)を補う漢方薬(四物湯ベースのもの:エッキ錠、婦人宝など)を用いて実際に改善へつなげています。
そして、質の良い睡眠や保湿などのスキンケアや、食事の改善にも取り組んでいただいています。

症例
 20代女性 やせ型、デリケート肌、頭皮、ほお、首に赤みあり。
顔の肌荒れのため半年以上病院に受診。
来店時はマスク内の肌の赤み(ほお)が目立っていました。
漢方薬(炎症をとる石膏の入っているもの、又は腎陰を補うもの、お血をとるもの)を体質・症状に合わせて組み合わせ、7-14日分ずつお出ししました。また食事改善(朝食にお味噌汁をとる、食物繊維をしっかりとる)を実践していただきました。
2か月経過後、赤みが和らぎ、肌のゴワゴワや擦れが目立たなくなってきました。
現在、体質改善をする目的で、四物湯ベースの漢方薬を服用されています。

2021年7月9日

梅雨から夏にかけての過ごし方・食べ物「体の除湿をする」

 ご存知の通り日本の夏は、高温多湿です。梅雨から夏にかけて、元気に過ごしてゆくためには、体に湿をためないことと同時に、部屋の除湿を心がけることです。

 漢方医学(中国医学)において、その土地に住む人々の体質に気温や湿度、生活習慣が影響を与えていると考えています。日本に在住歴の長い、中医師の邱紅梅先生は、著書「わかる中医学」の中で、「島国の日本では湿度が高い(湿邪におかされやすい;湿邪とは季節や環境によりもたらされた水の代謝異常のこと)。一方、中国では、内陸性の気候のため、乾燥し湿度が低い。」と記しています。

 体に湿が溜まると、雨の日や湿気の多い日に悪化する傾向があります。湿によりまず基本的に胃腸の働きが弱まります。食欲不振や腹部膨満感、泥状~水様便などが現れやすいです。漢方医学からみて胃腸は消化吸収に関わります。そして栄養の吸収や気力を維持する働きがあります。ですから、梅雨から夏にかけて日常生活の中で胃腸をしっかりケア(養生や手当て)していただきたいです。

 簡単に取り組みの可能なケアの方法として、次の2つがあります(守りの方法として)。
冷たい飲食物を可能な限り避けて、食べ物をよく噛み砕いて食べることです。②そして、入浴ではシャワーではなく湯船に浸かることです。体を温めるだけではなく、湯船に浸かることで体に水圧がかかるため、血行も良くなります。上の2つは一見、当たり前のようなことですが、湿を溜めないようにするために最初に抑えていただきたいポイントです。継続して取り組みましょう。

 上記とは反対に湿をためてしまう(悪化させる)要素は次の3つです。まず(1)寝不足・過労です(生命のエネルギーの源であり、水の代謝を司る「腎」のエネルギーを消耗させるため)。次に(2)冷たい飲食物をたくさん摂ることです。日中から晩にかけて気温が上がってきたので、冷たい飲み物を飲みたくなってしまいますが、摂り過ぎると消化や吸収などの胃腸の働きに負担をかけたり、妨げたりします。そして(3)水やお茶(飲み物の温度に関係なく)をのどの乾かないうちからガブガブと飲むことです。のどが乾いてきたら、冷たくない水をチビチビ飲みすることをお勧めします。

実際にカウンセリングでお話を伺っていると、例えば、無意識のうちに300ml入りのコップいっぱいに注いだ飲み物を一気に飲み干すとおっしゃる方がいます。習慣になっていると、自分では過剰に飲んでいることにと気が付かないことがあります。特に一日の大半を室内で家事仕事をしたり、デスクワークをしたりして肉体に負荷の少ない労働をしている場合は、口が乾いてきたらチビチビ飲みをすることをお勧めです。

 その一方で、「お水は1日2リットルくらい飲んだほうがよいのでは?」と質問をされることがあります。「筋肉質で汗かきの方や、たくさん運動をして汗をかいている場合は、しっかり水をのんだほうがよいです。ケースバイケースです。」とお答えしています。

 梅雨~夏にかけてお勧めの食べ物は、ソラマメ、さやいんげん、はとむぎ、小豆、すもも、とうもろこしです。これらは「湿」を取り除き、水分代謝を良くする食材です。

これらとは反対に、体内の津液(体内の生理的な水、組織や細胞を構成する水)を守る食材もあります。梅、さくらんぼ、桃などです。軽めの酸味のある食材は汗のかきすぎを防ぎ、津液を守ります。気温や湿度に合わせてとるとよいでしょう。

 漢方を利用すると、積極的に湿を改善したり、津液を守ったりすることなどが出来ます。その結果、症状の改善や日常生活の質を高めることが可能です。

 

 けやき堂薬局では、カウンセリング時に個別に生活背景を詳しく伺っています。カウンセリングは、選薬のためのものです。漢方をご提案するとともに、ケア(養生・手当て)の方法もお伝えしています。お気軽にご相談ください。

※カウンセリングは、ご予約制です。大変ご面倒をおかけしますが、必ず電話か来店にて予約の上で、カウンセリングにお越しくださいますようお願いいたします。

参考書籍 わかる中医学 邱紅梅(著) 
     NHKきょうの健康2016.6
     薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帖 喩静・植木もも子(監修)

2021年6月3日

寒暖差疲労への手当て

 気温の変動や室内外の温度差が大きな環境にいると、体温を常に同じに維持しようと自律神経が働くので、疲労が蓄積しやすくなります(寒暖差疲労)。さらに、気温差が7℃以上差がある環境にいることで、体の冷えを強く感じたり、首・肩こり、めまい、だるさ、気力の減退などの様々な症状が現れてくるそうです(参考書籍 最高のパフォーマンスを引き出す自律神経の整え方 久手堅司(著))。

 実際、お客様への私(岡北)のカウンセリングの経験から、体調の不安定な時ほど、気温差や天候の変化を体で感じて不調を訴えてこられるケースが多々あります。興味深いことに、体調が安定して良い状態であると、同じ人でも気温差や天候の影響を感じない、とも言われます。

 5月に入り、気温は穏やかで過ごしやすくなりましたが、日が暮れるとまだ肌寒いです。(本日5/1、日中の最高気温は25℃、夕方6時の気温は18℃で、日中と夕方では7℃の気温差)。

 「最高のパフォーマンスを引き出す自律神経の整え方」を書いた久手堅司氏によると、1年を通して冷え症対策を行うことが根本的な改善策になると書かれています。

 これから夏に向かいますので、毎年エアコンの冷気で体調を崩す方は、冷え対策を行うことをお勧めします。
そして1日の終わりは、ゆっくりとお風呂の湯船に浸かって体を温めましょう。湯船に浸かることが困難な方は、足湯15分するだけでも、体の冷えが解消されるので、ぜひ取り組んでいただきたいです。

2021年5月1日

ワクチンの役割について

 3月14日(日)に、自然薬研究会のオンライン講演会がありました。演題「新型コロナウイルス感染と免疫:ワクチン理解の為に」で、講師は宮澤 正顯先生(みやざわ まさあき:近畿大学医学部 免疫学教室主任教授)でした。宮澤先生は、ウイルス感染防御に役立つ、免疫細胞(メモリーT細胞の反応)の研究をしています。今回、約2時間にわたりお話くださいました。

 一般的にワクチン接種が推奨される理由は、「免疫細胞であるTリンパ球(白血球の一部)を活性化させることが目的です。但し、ワクチンを接種したとしても、免疫細胞(Tリンパ球)が活性化しなければ体内でウイルスの増殖を防ぐのに効果はありません。」と話されていたことが印象的でした。ウイルスが増殖したときに、ゆっくりと活性化したTリンパ球が感染した大量の細胞(肺胞など)を排除に働くことが重症化する原因とのことでした。

 その一方で鼻風邪コロナウイルス(従来から存在するウイルスで、重症化しにくいもの)に対する交差反応で、新型コロナウイルス抗原に反応するTリンパ球を健常人(新型コロナウイルスに感染した人だけでなく)検出可能と、海外医学誌の論文を紹介されました(Grifoni et al. Cell、181:1489-1501,2020)。

 以下は、あくまでも 私(岡北)の意見ですが、ワクチンを接種しない選択をする場合は、ウイルスが体内に入った時、自分の免疫細胞(Tリンパ球)を円滑に活性化できるかどうかが大切です。

 ワクチン接種する場合と、しない場合、共通していえることは、健康な時から免疫細胞が活性化し働くように備えておくことです。そのためには、充分な睡眠、バランスのとれた食事、もう一つの免疫のが働く器官である腸を整えること(快便にする)、運動が大切です。強い不安感や継続するイライラも睡眠の質を下げ、疲労感を蓄積させます(その結果、体力を消耗します)。基本に立ち返り毎日を過ごしてゆきたいです。

2021年4月9日

睡眠の質を上げるためにお勧めの漢方・生活習慣

 肉体疲労や精神疲労をとるのに、充分な睡眠が大切なことをご存知の方は多いと思います。

 健康に関する書籍だけでなくビジネス書にもたくさん取り上げられていますね。書籍では「スタンフォード式最高の睡眠 西野精治(著)」、「睡眠こそ最強の解決策である マシュー・ウオーカー(著)」などあります。良い眠りは心と体の健康を維持したり、日中の生活の質を向上させたりすることに必要なものです。

 睡眠をとることで、体の疲れをとること以外に、脳では起きている間に入ってきた情報を整理して取捨選択したり、記憶を定着させたりします。睡眠が充分にとれていなければ、記憶力や集中力が低下して実力を発揮できなかったり、マイナス思考になったりします。反対に、質の良い睡眠がとれていると、日中の家事や仕事、学習がはかどります。

 睡眠剤を飲むと、翌日に眠気を持ち越すことがあります。最初のうちは睡眠をとれているように感じていても、長期で継続して飲んでいくうちに疲労感が抜けなくなることもあるようです。新薬を否定はしませんが、眠れるように環境整備や生活習慣の見直しがまず必要だと私は考えています。

 漢方を服用した場合は、成分が体に残ることがありません。症状が軽く、気が高ぶる場合は、寝る前に紫華栄・ササイサンを各1包飲むと、翌朝の目覚めが良くなります。体力が低下している時の不眠に酸棗仁湯(さんそうにんとう)、とり越し苦労のある不眠には温胆湯(うんたんとう)、更年期のホルモンバランスの低下に加味逍遙散(かみしょうようさん)や芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)などを使い分けます。寝ても寝た気がせず、慢性的に疲労が続いている場合は、ワタナベオイスターDHMBA(ディーバ 特許取得・機能性表示食品)を用いるとよい結果が出ることもあります。

 ご高齢場合、年齢を重ねるうちに、睡眠に導くホルモン(メラトニン)の分泌量が減るので、中途覚醒が起こりやすくなります。その上、子育てや仕事から引退して運動量が減ると思うように眠れないことがあるかもしれません。多少、寝足りないように感じていても、昼間に家事や用事を支障なく出来ている、または昼寝やうたた寝(目安として20分程度)をして、頭がすっきりする程度であれば、問題ありません。

 その一方で、子供や若い世代の夜型化による、不眠が増えているそうです(NHKきょうの健康2021年3月号)。寝る直前まで、スマートフォンやパソコンを熱中して見ていることが夜型になる一因だそうです。

きょうの健康で「子どもの睡眠障害」の記事を担当した井上雄一医師(東京医科大学教授)によると、若い世代の不眠を解消する方法として、以下の3つが挙げられています。

(1)午前中の光をたっぷりと浴びること、(2)昼間は体を動かすこと、(3)夜は明るい光を避けることです。

(1)-(3)を取り組むことで体内時計が整うと書かれています。スマートフォンなどの液晶画面から出る光に含まれる「ブルーライト」は、睡眠に導くホルモン「メラトニン」の分泌をかなり抑え込んでしまうそうです。子供の場合は、大人よりも瞳孔が大きく、光をより多く目の中に取り込んでしまうため、その影響は大人の2倍ほどあるといわれています(Higuthi S, et al. J Clin Endocrinol Metab. 2014)。上に挙げた(1)-(3)を4週間続けることで体が慣れてくる、と書かれていました。

 これまで当薬局でカウンセリングさせていただいてきた経験でも、不眠や疲れが抜けない方に対してスマートフォンなど明るい画面を睡眠直前まで見ていた場合に、入浴後は見ないように変えてもらったことで、大人の半数以上の方の睡眠の質が良くなっています。

最初のうちは習慣を変えるのに、精神的にきついかもしれませんが、お困りの場合や今より良くしたいのであれば、取り組むだけの価値はあるのでぜひ参考にしてください。
(NHKきょうの健康2021年3月号では“就寝時刻の2時間前から液晶画面を見ないようにしよう”と書かれています。念のためお伝えしておきます。)

2021年3月13日

感染症予防に 効果的なうがいの方法

 お客様から「風邪やインフルエンザ予防のためには何を使ってうがいをすると効果的ですか?」という質問を受けました。以前に、ブログで取り上げたことがあります。(⇒ここをクリック 正しいうがいの方法2019年12月5日記事)

 2020年11月下旬に、奈良県立医科大学の研究で、感染力のあるウイルス(新型コロナウイルス)が茶葉から入れた紅茶で、1分間経過後100分の1まで減少(シャーレ内での実験)し、「可能性の段階」と発表しています。

 以前から、緑茶に含まれるカテキンに抗菌作用があるといわれてきました。緑茶を発酵させた紅茶には、カテキンを変化させているテアフラビンというポリフェノールが含まれています。紅茶を入れたら、体温ほどに冷ましてからうがいをしましょう。

 以上のことから水道水、そして時間に余裕のある方、手間を惜しまない方には紅茶でうがいをするのが良いでしょう。咽喉から鼻にかけて液体が行き渡るようにしてうがいをしてください。

2021年1月9日

自律神経症状に用いる漢方薬、効果の現われ方

 漢方薬を自律神経症状に用いた際の良い面(長所)と短所、効果の現われ方、用いる漢方薬についてお話しします。自律神経症状のある方から漢方選薬のご相談を受ける際に、質問を受ける内容です。

 自律神経症状に漢方を服用して良い面は、夜間の睡眠の質を高め、日中に頭脳が働くように助けてくれるところです。効果の現れ始めは、早い方で2週間程度です。服用開始から2か月くらいたつと、約8割の方に効果が出ています(けやき堂薬局においてお客様対応の経験)。

また漢方薬を飲んで、頭がぼーっとしたり、日中眠気が出たりする作用のないこと、肉体や精神への依存性・習慣性がないところも良いところです。お仕事や学業、家事へ集中して取り組め、また育児中の方にはおだやかな気持ちで接することができるようになるため、生活の質を良くします。

 一方で漢方薬の短所は、長年にわたり心療内科等の新薬を継続して飲んでいる場合、従来から飲んでいる心療内科等の新薬と併用して漢方を服用することになる(たくさん新薬を飲んでいる方には飲むものが増えてしまう)ことと、それらの新薬の減薬・なくしていくことに時間がかかることです。減薬の際は必ず処方下さっている医師と相談しながら行っていただいています。

 
 自律神経症状に漢方薬を芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)や逍遥散(しょうようさん)、清香散(しんこうさん:香蘇散)など現在の症状、体質、その方のもつ性格に応じて使い分けをして用います。ご予算の許す方には、体のバランスを整える目的で、松寿仙の併用を提案させていただいています。

 私(岡北)は薬剤師として新薬全般にわたり使用することを否定していませんが、緊急の場合(高熱時や発作時)と、慢性症状の場合はその薬の持つ長所(目的と効果)と良くないところ(副作用の起こりうるリスク)を比べて長所のほうが高い場合に使うものと考えています。

 心療内科等に初めて受診を考えておられる方へ、私はまず漢方薬をしばらくお試しになることをお勧めしたいです。

 漢方を希望される方は、まず電話などで必ず事前にご予約の上で、相談ください。

2020年12月7日

風邪の初期対応に常備したい漢方

 風邪は、ひき始めの正しい対応が大切です。対応が早ければ初期症状のうちに良くなることが多いです。その一方で対処が遅かったり、睡眠がとれていなかったりすると、風邪を長引かせたり、新たな別の症状を招いたりします。
初期症状は主に、寒気、咽喉の痛み、鼻水が出ることのいずれかです。複数の症状がいっぺんに現れることもあります。

 寒気があり、風邪かなと感じたら、30分以内に葛根湯を飲みます。
葛根湯を(1回量の目安として)1包を、寒気がとれるまで1日3回、3時間毎に飲みます。風治散50-100mlの白湯(熱湯でも良い)に溶き、体温と同じ位かそれよりも少し温かいうちに飲むほうが効果的です。数回飲んでいるうちに寒気を感じなくなります。寒気を感じなくなったら、葛根湯の服用を止めても大丈夫です。

 中には寒気がないのに、風邪の症状で、葛根湯を1週間以上飲み続けているお客様がいらっしゃいます。この場合、葛根湯の証ではなくなっています。また、寒気がないのに、風邪をひいて3日以内だからと、葛根湯をのむ方もいます。寒気の症状がなければ、別の証になっています。ともに、服用しても風邪を治すのに効果が現れません。

 また、麻黄湯と葛根湯との違いをお客様に聞かれることが時々あります。葛根湯にも麻黄湯と共通する生薬 麻黄、桂皮が含まれています。厳密にいうと麻黄湯では、寒気の他、体に熱がこもり、汗の出ていない症状が現れている場合に用います。使用範囲は葛根湯と比べるときわめて狭いです。自分や家族の病状を正確に把握できる人が、麻黄湯を常備するのに向いているといえます。

 けやき堂薬局では、葛根湯の処方を風治散(ふうじさん:和漢薬研究所)という商品名で販売しています。

 風治散の製法として、低温の湯で、圧力をかけじっくりと有効成分を引き出して作られています。有効成分以外に、賦形剤としてデンプンのみ入っています。白湯に溶けやすく、風治散の粉末をなめただけでも、お口の中ですっと溶けることが特徴です。

私の経験ですが、新薬(西洋薬)の風邪薬の服用時と比べて、風治散で胃もたれが起こりにくいです。

滋養強壮の目的で、体力を底上げしたい方、風邪の進行を防止したい方は、風治散に併せて、紫華栄(しかろん:和漢薬研究所)を併用して飲みます。服用をすると、尿が気持ちよく出て出て、すっきりします。

 常備薬として、風治散、紫華栄を少なくとも3日分お手持ちになっていると、初期の段階から夜間や休日、忙しくて外出できない時にも、家族じゅうですぐ飲むことができるので重宝します。

 風邪のひき始めに常備しておきたいお薬についての相談は、ご来店の際に、けやき堂薬局までお尋ねください。また、じっくり相談を希望される場合は、お手数ですが、電話で日時をご予約下さい。

2020年11月7日

秋から冬に向かう今、季節の変わり目の 過ごし方・養生法

 秋が深まってくると、秋から冬へ向かうときの「寒暖差」による気温差が日ごと、一日の中で現れてきます。

 寒暖差(気温差)による体の不調は、気圧変動とならんで気象病の一つです。気温差により体の冷えや疲れを感じやすくなってきます。この寒暖差から身を守るためには、「体を冷やさないこと」、「保温すること」に尽きます。

さらに予防するためには、「体を穏やかに温める食材を食べること(涼しくなってきたので、食欲が進み過ぎて胃腸をこわさないよう要注意)」、「自律神経を整えること」です。

 治療法は、「一年を通して冷え症対策を行うことが効果的」であることが書籍 「最高のパフォーマンスを引き出す自律神経の整え方」に書かれています。これは寒暖差疲労外来を担当する 久手堅司(くでけん・つかさ)医師が自らのクリニックに通う患者さんを診察して得られた知見や経験をまとめた書籍です。また、筋肉量の少ない女性に寒暖差疲労を起こしやすいと述べられています。

 日常での工夫として服装の調節やひざ掛けなどの活用、また空調の管理などで出来るだけ身体に寒暖差を感じさせない対策をとります。

 寒暖差によって乱れた自律神経を整えるには、規則正しい生活や適度な運動が基本です。
さらに、ストレスを受けやすい現代社会では、交感神経(緊張を高める)が優位になりがちです。副交感神経(リラックスに働く)を優位にさせることで、バランスを整えることができます。ヒトを含む恒温動物の場合、自律神経により体温調節されます。

自律神経が原因で、体温調節が行われない場合、自律神経を整えると、暑さや寒さの外気温に対応して、体の体温調節が適切に行われるようになると私(岡北)は考えます。

〇おすすめ食材 体を穏やかに温め、胃腸をいたわる食材を食べる
もち米、黒米などの穀類、かぼちゃ、さつまいも、くり、たまねぎ、さけ、さば、さんま

〇 腹式呼吸 緊張をほぐし副交感神経の働きを良くすることで、自律神経を整える
腹式呼吸をする場合、吸うことよりも吐くことのほうを重視します。
1. おなかから息を吐くつもりで7秒間かけてゆっくりと、口から息を吐きます。おなかをへこませながら吐くとよいです。
2. 次におなかに空気を吸い込むつもりで5秒間、鼻から息を吸います。おなかを膨らませながら吸うのがよいです。
この呼吸を1回に3-5分間行います。吐くときはできるだけ細く、長く吐くようにすることがポイントです。

〇 目元を温める 緊張をほぐし副交感神経の働きを良くすることで、自律神経を整える
 水で濡らしてタオルを絞り、電子レンジで温めて、人肌より少し熱い40℃くらいの蒸しタオルをつくります。次に10分間まぶたの上にのせます。このように目元を温めることで、副交感神経が関連している動眼神経(目の周りにある筋肉)を刺激することができ、リラックスに繋がります。

漢方薬で体つくりや予防にお役に立てることがたくさんあります。
健康相談を希望される方は、必ず事前に電話にてご予約下さい。ご来店又は、電話で健康相談を承っています。

参考書籍、資料
脳科学辞典サイト 体温調節の神経回路
最高のパフォーマンスを引き出す自律神経の整え方 久手堅司(著)
きょうの健康 2016.10
石原結實の絶対健康法 石原結實(著)
日職災医誌,62:8─16,2014 花王株式会社パーソナルヘルスケア研究所

2020年10月8日