けやきのすくすくブログ
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食後に眠気・倦怠感があらわれる原因と対策

 普段の生活を送っていて、食後に眠い、食後に強い疲労と倦怠感に襲われる、そして眠気が強く仕事や家事に支障をきたして困っているという話をお客様から多く伺います。

このことは主訴が胃腸の不調な方(逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群等)に限らず、日ごろから疲れやすい方、子宝希望の方、アレルギーのある方などからも伺うことが多い項目です。

 今回は、どのような時に症状が現れやすいのか、そしてその対策を西洋医学的観点と、漢方医学的観点からみて考えられることを挙げます。

 食後に眠くなる原因として3つのことが挙げられます。まず1番目は、食後に血糖値が急上昇していること(食べ過ぎ、又は早食いが原因)、2番目は睡眠で疲労が回復出来ていない、又は睡眠不足の状態、3番目は脾(胃腸)が弱っていることです。当店に見えるお客様で多いのが、2番目と3番目です。

 まず1番目の原因の食後の血糖値が急上昇することについては、最も一般的に言われていることです。炭水化物(米、パン、めん類、いも類)を一食のうちにたくさん食べると、血糖値が急上昇します。すると膵臓から大量のインスリンが分泌され、血液中のブドウ糖が回収されます(インスリンは、血液中のブドウ糖を細胞内に取り込むように働きかける役割があります)。その結果、今度は低血糖になり、眠気や倦怠感を感じやすくなると言われています。

対策として食事時に【野菜→たんぱく質→炭水化物】の順でしっかり噛んで食べること、特に野菜を5-10分かけて出来るだけゆっくり食べることです。そして一食で摂る炭水化物の量を控えめにして食べることで血糖値の急上昇を防ぐことができます。その結果、食後の眠気が起こりにくくなります。さらに余力のある方は、食後30分~1時間に歩くようにしましょう。頭の中がすっきりとクリアになりますよ。

 2番目の場合、睡眠不足になっていて、気(元気の素となる気、エネルギー)が不足している状態(気虚)です。もともと気が不足している上に、さらに消化・吸収で気が消費され睡眠で気を補うよう体へ働きかけられるため、食後に眠気が現れます。

この場合の対策法として、質の良い睡眠を充分に摂ることが最も大切です。質の良い睡眠を得るための心がけや方法は、これまでの当薬局ブログ内で繰り返しお伝えしています。

少なくとも質の良い睡眠を得るために守ってほしい養生法(セルフケア)は、3つあります。①起床後ふとんから出たら、天気に関わらず朝の光を浴びること、②入浴後~就寝前にかけてスマートフォンやパソコンなど明るい光を見ないようにすること、③風呂は熱すぎない湯に浸かり、湯冷めをしないうちに床に就くことです(入浴後、少しクールダウンをした方が良いです)。

中には仕事からの帰宅の遅い方や育児中の方もいらっしゃいます。私(岡北)の経験上、夜遅くまで片付けものをすることより、疲れをとって翌日以降の仕事や家事の効率を上げるために、早くふとんに入って寝ることをお勧めします。

 3番目は、脾(胃腸)の働きが弱っている場合です。2番目と少し重なり、気が不足しやすい状態にあります。脾の弱さはもともと子供時代からの体質であることの他、脾の嫌がる食事が続いた時、過労や心労の続いた時に現れます。

(詳しくは:当薬局ブログ (リンク)→腸を元気にする食べ物と、気をつけるべき点 )

対策法として、例えば日頃少食の方でも腹八分の食事量にすること、また外食で定食などを注文したら一人前全量を食べないように取り組みましょう。

また、「体力をつけるためだ」と言ってカレーライスや唐揚げなど脂っこいものや、腹十分、十二分の食事を続けていると、いつまでたっても疲れやすく、脾の働きの改善が見えてきません。1回量の食事量を他の人と比較するのではなく、自分にとって多いか少ないかを判断基準にします。脾の働きを整えていくことで、もともと脾の弱い方も、食後に眠くならなくなります。多少の油物や消化の悪い食べ物でも食べることが出来るようになります。

以上です。

 
2番目と3番目の場合は、漢方で改善を助けることが可能です。当店では個別に選薬のためのカウンセリングを伺っています。希望される方は、まず電話でご予約下さい。

参考:食べる順番変えるだけダイエット 梶山靜夫(著)、養命酒ホームページ 2019.11.21、スタンフォード式最高の睡眠 西野精治(著)、わかる中医学 邱紅梅(著)

2022年1月4日