けやきのすくすくブログ
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風邪の初期対応に常備したい漢方

 風邪は、ひき始めの正しい対応が大切です。対応が早ければ初期症状のうちに良くなることが多いです。その一方で対処が遅かったり、睡眠がとれていなかったりすると、風邪を長引かせたり、新たな別の症状を招いたりします。
初期症状は主に、寒気、咽喉の痛み、鼻水が出ることのいずれかです。複数の症状がいっぺんに現れることもあります。

 寒気があり、風邪かなと感じたら、30分以内に葛根湯を飲みます。
葛根湯を(1回量の目安として)1包を、寒気がとれるまで1日3回、3時間毎に飲みます。風治散50-100mlの白湯(熱湯でも良い)に溶き、体温と同じ位かそれよりも少し温かいうちに飲むほうが効果的です。数回飲んでいるうちに寒気を感じなくなります。寒気を感じなくなったら、葛根湯の服用を止めても大丈夫です。

 中には寒気がないのに、風邪の症状で、葛根湯を1週間以上飲み続けているお客様がいらっしゃいます。この場合、葛根湯の証ではなくなっています。また、寒気がないのに、風邪をひいて3日以内だからと、葛根湯をのむ方もいます。寒気の症状がなければ、別の証になっています。ともに、服用しても風邪を治すのに効果が現れません。

 また、麻黄湯と葛根湯との違いをお客様に聞かれることが時々あります。葛根湯にも麻黄湯と共通する生薬 麻黄、桂皮が含まれています。厳密にいうと麻黄湯では、寒気の他、体に熱がこもり、汗の出ていない症状が現れている場合に用います。使用範囲は葛根湯と比べるときわめて狭いです。自分や家族の病状を正確に把握できる人が、麻黄湯を常備するのに向いているといえます。

 けやき堂薬局では、葛根湯の処方を風治散(ふうじさん:和漢薬研究所)という商品名で販売しています。

 風治散の製法として、低温の湯で、圧力をかけじっくりと有効成分を引き出して作られています。有効成分以外に、賦形剤としてデンプンのみ入っています。白湯に溶けやすく、風治散の粉末をなめただけでも、お口の中ですっと溶けることが特徴です。

私の経験ですが、新薬(西洋薬)の風邪薬の服用時と比べて、風治散で胃もたれが起こりにくいです。

滋養強壮の目的で、体力を底上げしたい方、風邪の進行を防止したい方は、風治散に併せて、紫華栄(しかろん:和漢薬研究所)を併用して飲みます。服用をすると、尿が気持ちよく出て出て、すっきりします。

 常備薬として、風治散、紫華栄を少なくとも3日分お手持ちになっていると、初期の段階から夜間や休日、忙しくて外出できない時にも、家族じゅうですぐ飲むことができるので重宝します。

 風邪のひき始めに常備しておきたいお薬についての相談は、ご来店の際に、けやき堂薬局までお尋ねください。また、じっくり相談を希望される場合は、お手数ですが、電話で日時をご予約下さい。

2020年11月7日